持家はインフレウェルカム説

こんにちは!家庭では家事・育児・労働担当の都築です。いや~・・・インフレ来ましたね。

この記事書いているのは2022年6月なんですが、状況としてはロシアによるウクライナ侵攻に端を発した原油価格高騰やそれに加えた異常気象の影響により小麦価格高騰が影響して、日本国内でも物価高が起こっています。そんななか米国長期金利が上昇した影響もあり、10年物の日本国債の金利までもが0.25%の壁を突破して住宅ローンを変動金利で借りている皆さんが危機感を感じている状況にあります。

そんな漠然とした不安がある皆さんが気になっていると思われるのが、インフレと持ち家の関係ではないでしょうか。そこで、今回はインフレと居住費との関係についてお伝えします。

まず、インフレって何?いまどんな状況なの?という方へ

インフレとは、平たくいうと物の価格が上がることを言います。同じものを買うのにも以前より多くお金を出さなければなりせんが、それに見合った企業収益と個人所得の増大を伴うことで景気が良くなるサイクルです。日本はいままで個人所得と個人消費が伸び悩むことでインフレの逆であるデフレ(物の価格が下がってお金の価値が上がること)による景気低迷に悩まされていましたが、金融緩和等によりゆるやかに国内景気の改善が進み個人所得や個人消費もまたゆるやかに進んでいました。そこにコロナ禍が発生したことで、不透明性がましていました。

生まれた時から景気が悪い人たちも普通にいる「失われた30年」

物価高はインフレの兆しなので本来であれば上記の状況にあった日本にとっては歓迎要因なのですが、今回の物価高は景気の改善により起こったものではなく、海外からの輸入品の価格上昇により引き起こされたもので個人所得の増大を伴うかは不透明です。このため所得は増えないのに物の価格が上がってしまうスタグフレーションの発生も一部で懸念されています。

住宅ローンまで抱えるとかヤバくない!?

めずらしくちょっと難しい話をして知恵熱がでそうなのですが、皆さんが気になっているのはこれですよね。

そうですよね。給料は上がらない(おまけに増税や社会保険料の負担増により手取りは減っていく)のに物価だけが上がっていくかもしれないとか普通に考えてもヤバいし、そこに住宅ローンまで抱えちゃったらどうなっちゃうの!?って感じですよね。

インフレで住宅ローンがヤバい!?

物価が上がると住宅ローン金利ってどうなるの?

そう。家を買うならほとんどの人が住宅ローンでお金を借ります。変動金利はもちろん、固定金利ですら一定期間過ぎると金利が見直されます。金利が上がると、毎月の元本返済額は変わらないものの増加した金利分だけ月々の支払額は増加します。

経済学的には物価が上がると金利が上がると予想されるのが普通です。これは、物価が上昇傾向にあると消費者や企業が認識すると買い物や設備投資を安く行うために少しでも早くお金を使おうとする一方、金融機関側が資金流出を防ぐためにより高い預金金利を提示したり、利益を追求するために融資金利を上げるためです。

そう!住宅ローン金利もインフレ下では普通は上がります!!  \ババーン/

やっぱり賃貸が最高!?

「ほらね。住宅ローンで持家を買うってやっぱりリスクなんですよ。しかもこれで家が壊れたら修繕費用まで発生します。マンションだって積立金を上げざるをえなくなります。賃貸が合理的なんです。」

…などというと思ったか。おっと失礼しました。インフレ下では家賃も上がります。世間の多くの大家は銀行から借入して不動産投資をしています。つまり、大家は銀行からの借入利息が上がったらそれを家賃に転嫁してきます。賃料相場全体が上がるのですから、いわゆる不当なものではなく堂々と請求します。修繕費にいたっては実際に発生しなくても高騰も見込んで家賃に乗せてきます。

前から度々申し上げていますが、取得する物件選びに大失敗しない限り、賃貸はほとんどのケースで持家以上の経済的合理性はありません。賃貸の強みは手軽さという意味での合理性なのです。インフレ下にあってはさらにそれが顕著になります。

インフレだから値上げするけどちゃんと家賃は納めてねw

インフレに強い持家

インフレはものの価値が上がります。つまり、持ち家を含む不動産もまた価値があがります。しかし住宅ローンは金利は増えることがあっても元本そのものが増えることはありません。

たぶん、これからマスコミは金利が上がってローンを返せなくった人たちを持ち出してくると思いますが、すでに彼らが大好きな住宅ローンホラー同様にごく一部の話になるような気もしています。また、日本はいままでゼロ金利政策により金融機関の融資姿勢を緩和することで景気の回復を図ってきて実際に効果がありました。物価高が起こったからといって日銀が直ちに政策金利を上げてまでこれを抑えるかはわかりません(そもそも彼らは目標として2%程度の物価上昇を目標としていたことを考えると、なおさらですね)。

賃貸にしても住宅ローンにしても月々の住居費用は上がるものの、支払うメリットは持家の方が大きくなりますね。個人的には持家を持つ意義はQOLの向上にあり、不動産投資のように利益を追求することとは分けるべきだと考えています。これを混同するとどちらの目的の観点からしても中途半端な物件を買うことになりかねないからです。ですが、それでも合理性という観点に立つと明らかに高い家賃を払い続けても何も残らない賃貸よりはメリットがありますね。

あれやこれや付帯条件をくっつけたりせずに普通に考えれば、持家で家族と自由が利く生活を割安に送ることができて、おまけにローンが払い終わると資産が築けている持家の方が合理的だし、おまけにインフレがくるとその資産価値が上がっているんですから、そりゃ持家の方が有利ですね。

これからを考えると

僕らはただの不動産屋なので先のことはわかりませんのでここからはただの予想なんですが、日本っていままでずっと物価が伸びなやんでいましたよね。企業も値上げする勇気はない(値上げするとメーカーさんって謝っちゃいますしw)ため消費者が実感しやすい価格を上げることはせずに、中身の量やクオリティを下げることでごまかしていたことが多かったように思います。いつのまにかコスパがよかったつもりが安物買いをしているに過ぎないようなこともあったと思います。

でも、今回は世界的な流れでついにそうした方法では吸収しきれないような事態が起こっているような気がします(というか、本当は値上げしたいメーカーさんの気持ちになって考えると物価高を理由にできるこのビッグウェーブに乗るしかないと思うんですよね)。

家の値段にしても、地価は都内はもちろんその近郊も上がっているのは誰の目にも明らかですが、需要が落ちる様子もありませんので下落するかは不透明です。建築費用もウッドショックは落ち着いてきたもののその他の建材の値上がりや、職人不足の影響による人件費の上昇により建築コスト全体で見たら下がる兆候は依然としてなく、むしろ上昇しつづけています。さっきの経済学の話にもどると、安く買うには早く買う必要性が出てきているようにも見えます。(本当にこの辺は僕らの個人的な感想なのですが!)

今がチャンスなのはわかったけど物件選びに自信がない人は…

家リア

「なるほど、潮目が変わったかもしれないし、買うなら早い方がいいっていうのもわかった。でも、『物件えらびに失敗しない限り』持家の方が合理的ってあなたはさっき言ったし、そこが怖いんだよ。」

そう思われる方もいるでしょう。ですが、そのために私たちがいるんですよ。どうか、どんなことでも気軽にご相談ください。自分が住む家を買うことに慣れている人はいません。絶対しつこい営業はしないし、無料でプロがお答えしますよ。

それではEnjoy 家選び!

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