不動産屋に向いている人
こんにちは!新卒時は経営コンサル会社に入った都築です!今日は進路を模索している甥から、不動産仲介業(長いのでここでは不動産屋といいますね)に向いている人はどんな人か聞かれました。
これだけアンチの多い業界に興味持つとはなかなかいい度胸なので本人が志望するかはともかく見分を広めるにはいいと考えて社内にも協力してもらいまとめました。そこで今回は僕の甥同様に興味を持っていただけた皆さんにも向けて記事にしたいと思います。
目次
突然ですが、答えです。
お金を稼ぎたい人
はっきり言います。お金を稼ぎたい人が向いています。
これだけ聞くとじゃあほとんどの人がなれるのかと思っちゃいますよね?答えはNOです。たしかにほとんどの人はお金を稼ぎたいです。そりゃそうですね。ですが、多くの人は「(できれば楽して)お金を稼ぎたい」というカッコ書きが入ってきます。
ここなんですよ!本当にお金を稼ぎたい人や欲望が強い人って、苦労は厭わずにお金を稼ぎに来ます。ワーク・ライフ・バランスやら働き方改革がどうとかいう話なんて二の次です。イノシシのように猪突猛進に欲望を満たしに来ます。
また、言い換えるとお金を稼いで何をしたいのか、何がほしいのかという欲望が明確で強い人です。「どうせならお金があった方がいい」という程度の欲深さでは厳しい局面にあるときに「稼げなくてもまあいいか」と日和ってしまうんですが、欲しいものややりたいことが具体的で気持ちが強いと達成に向けて邁進します。
【重要】お金を稼ぐ目的が「お子さんの学費のため」とか「親御さんの介護のため」という人も普通にいます。かならずしも強欲感のある内容であるとは限りません!
管理職になってくると、そういうメンバーの力を活かすことが仕事になってきます。自ら過重労働をして業績を上げようとか、ちょっとぐらいガバナンスやコンプラをごまかしてでも数字を上げて業績を上げようとしたりする問題社員がいたとき、事故が起きると稼ぐどころか大減点(最悪倒産します。)なので、管理職や会社としてはそれを防ぎつつ自分の評価になるチームの数字の最大化に努めます。
穏やかな人もいるんですがそういう人は稼げていないか、ガツガツしなくても稼げる方法を確立したか、そもそも既に仕上がっている(ガツガツとお金を稼ぐ必要がなくなっている)人なんじゃないかとも思います。
コミュニケーション能力
あれば便利でしょうが、重要ではないです。
お客様は不動産屋のコミュニケーション力で買ってくれるわけではありません。ほしいと思う物件だから買ってくれます。売主さんも同じです。売ってきてくれるから元付(物件の管理)を依頼します。他の不動産屋もそうです。紹介したい物件がある、あるいはお客様がいる場合に横のつながりで連絡をとりあいますが、そのときも別に相手の不動産屋のコミュニケーション能力に期待してるわけではありません。
もう何年も猫も杓子もコミュ力、コミュ力とコミュニケーション能力は労働市場においては大人気スキルですが、個人的にはそもそもコミュ力とは限られた機会と時間のなかでこちらが期待する行動を相手にとってもらうためのスキルと解しています(間違っていたらすみません)。お客様の評価対象は不動産屋の提案ややりとりではなく物件にあるため、コミュ力はそこまで重要ではありません。「えー?そうかな?」とかお思い人もいるかもしれませんが、逆にいうとコミュ力でお客様が本音ではほしくない物件をつかませるのがいいのかというと、そんなわけないですよねw
あれば便利としたのは、お客様ご自身や、お客様のご質問やご質問の裏にある背景などをとらえる傾聴力が比較的コミュ力に近いと考えたためです(「いい仲介営業の条件と担当ガチャの対処法」でも書きましたが、いい仲介営業はお客様のご判断を尊重するため、買ってもらうための説得などはしません。)が、コミュ力よりも比較的狭義ですし、契約しないとお金を稼げないというマインドでカバーできることが多いように思います。若干根性論テイスト出ていますがw
ロジカルシンキング
重要ではないです。
そんなに難しいことは考えないからです。お客様を理解しそれにあった物件をご紹介する。単純なフローです。慣れるまではご紹介するうえでの注意事項の把握が大変ですが、慣れてしまうと紹介する物件を選ぶのもそれほど多様な判断基準はありません。強いていうならお客様を理解するのには頭を働かせて潜在的な需要まで把握する必要がありますが、いわゆるロジカルシンキングとはちょっと違うように思います。
どちらかというと、お客様がアツいうちに適切な物件をご紹介することは重要であるような気がしますので、スピード感の方が大切だと思います。Don’t think, sell!(考えるな、売れ!)って感じです。ここも稼ぐためには契約数をこなさねばならない点で「稼ぎたい」というマインドがカバーすることが多いですね。
正直さ
重要です!
お金を稼ぐためにもむしろ超要ります。詳しくはこちらをご参照ください。
自分を例えると潤滑油です。人と人の間に入ったり部門間でのやりとりを円滑にする形で貢献します!
他行け。
自分で数字を追う気のない人は来ない方がいいです。
え、そんな気はしていたけど不動産屋ってそんなにお金が好きなの?不安なんだけど。
そうですよね。お金に拘るならそこまで高額物件を買うわけではない自分のことを蔑ろにするんじゃないか、大口の売主のために自分をハメるんじゃないかというご不安ですよね。
ですがご安心ください。まず「そもそも不動産屋は『正直不動産』じゃないとやれない説」でご説明したとおり、不動産屋は他の業種以上に嘘は許されませんしそれと誤解されるのすら避けねばならない仕事です。また、ぶっちゃけると皆さんが思っているほど買主に嘘をつく旨味がない(そのくせリスクだけある)ので皆さんをハメたりしません。
また、「『不動産屋』というビジネス」でもご紹介しましたが、不動産屋のセールスパーソンは同じ店舗にいても個人事業主の集まりに近い状態です。皆さんを成約させないとお金が稼げません。そしてそもそもお越しになったお客様を選り好みはできませんので、担当したお客様の成約には全力を尽くします(ただしお客様の選り好みはできませんが効率性を追求して対応するお客様の優先順位はつけます。詳しくは「いい家を優先的に紹介されるたった2つの要素」をご参照ください。)。
というわけで、自分でいうのもあれですが信用してくださって大丈夫だし、むしろ信用したうえでガンガン使い倒した方がいい物件が出ます。
厳しいところもお話します。
家リアは不動産屋が本音を話すオウンドメディアです。このため、都合の悪いこともお話します。
不動産屋は全体的にハードワークです。また、営業成績が明確であるため他人と比較されますし、業績が振るわないとかなり厳しいことを言われる会社が多いです。このため、率直にいって体力とメンタルに自信がある人の方が向いています。最近の若い世代に高く評価される従業員の気持ちを大切にしてくれる職場がいいという人は止めた方がいいと思います。もちろんお客様から感謝されることは普通にありますが、どんな仕事でも大体そういう要素はあるものですの特筆するほどではありません。
1つの店の中に個人事業主が集まっているということは一人ひとりがプロフェッショナルであることが求められます。お客様もお客様に紹介する物件も担当者間で取り合いです。誰かをサポートする前に自分のお客様にベストを尽くしますのでチームワークを活かす局面は他業種より少ないし、自分のメンテナンスは自分でします。もちろん、組織としての業績をあげるために新人に最初は丁寧に教えますが、そこから先はすべて自分でやります。
なんで不動産仲介業は稼げるの?
多くの企業は継続的な成長のため事業投資を行いますが、不動産屋の場合は機械や設備にはお金がほとんどかかりません。また、不動産屋はあくまで仲介業であり自社での物件の仕入などは必要ではないため先払いとなる支出も多くありません。このため人件費にお金を回す余裕がある事業です。
また、経営者目線に立つと、戦力になっている人に退職されることは単純に戦力を失うだけでは済まないことに気付きます。退職後に他社に移ったり独立されると商売敵になってしまうおそれあるためです。そこで、業績に応じてなるべくたくさんお金を払うことにより、転職や独立のメリットを小さくするためにも人件費にお金を回す必要がある事業です。
こうした人件費を多くする必要性と実現可能性がそろっているため、業績に応じた高い報酬の支払いをしています。もちろん、業績が伴わないと・・・いうまでもないですが。
ご興味を持たれた方は・・・
「え、ちょっと不動産屋の仕事に興味出てきたな。」もしそう思われる方がいたら是非、 ご連絡ください。人材は常に募集しています。
今回は気が付いたらなんだか採用サイトの記事みたいになってしまいましたが、不動産屋や欲深なだけにみなさんと利益をともにして必死こいて仕事しますし、みなさんをハメることもないのでどうぞご安心して不動産屋をフル活用していただけますと幸いです。
それではEnjoy 家選び!
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