不動産屋のリアル

不動産屋の匂わせ系チラシのリアル

不動産屋の匂わせ系チラシのリアル

こんにちは!実は広告代理店に勤務していたことのある都築です!先日、物件の売却のご相談をいただいているお客様から、ご自宅に投函された他社のチラシをみてご相談がありました。

お客様「見込み客がいるらしい不動産屋さんのチラシがはいったので、そちらの不動産屋さんにも相談していいですか?」

無断で動かれることなくご相談いただけて大変ありがたいです。僕も自宅に幾度となく投函されたことのあるタイプのチラシだと思うので察しはつきますが、お客様のお気持ちの問題や、本当は何か別のご事情があるかもしれないのでお話をうかがいにいきました。

お客様の見た匂わせ系のチラシとは

幸いお客様としては他意はなく、シンプルに広告をみてご検討されていたようです。その広告とは、「この地域で物件を探している人がいます!」と大きく書いてあり、家を探している人の予算や家族構成、背景などが書いてあり、あたかも既に具体的な買主がいるかのように匂わせるものでした。

具体的には「定年退職に伴い二世帯住宅を建てることを検討されている山田様(仮名)が、用賀駅から徒歩15分以内で広さ30坪以上の土地を予算1.2億円までで探されています!」的な感じです。

けっこうあるあるなタイプの広告なので、おそらく見たことがある人もおられるのではないでしょうか。あれは多くの人にはゴミ同然の代物なのですが、家の売却を検討している人や、自宅の価値について気にしている人には刺さるようにできています。

結論からお話ししますと

結論を最初にお伝えすると、

  • 本当にそういう買主の見込客がいる可能性は微レ存(微粒子レベルで存在する)
  • 一方で、そのチラシを見て問い合わせをした人が売主側の見込客として情報を握られるのは100%
売主情報、GETだぜ!

本当にいる可能性は微レ存だと考える理由

今この瞬間も隕石が地球に衝突するかもしれないという話だってマスコミっぽくいうと「可能性はゼロではない」ので、この手の匂わせ系チラシの書いてあることが絶対に嘘とはいえませんが、僕らはこんな↓理由で可能性は極めて低いと考えています

お金の問題

まずチラシって作るのも撒くのもタダじゃないんですよ。多くの不動産屋は特定のお客様のための広告を自社負担で打つことはありませんのでお客様ご自身に広告費をご負担いただくことになると思いますが、買えるかどうか判らないのに仲介手数料とは別に広告費を負担する個人の買主のお客様っていると思いますか?

ぶっちゃけ個人のお客様って広告費を追加で払うどころか、仲介手数料ですら値切ろうとしてくる人たちもいるくらいですよ(血涙)少なくとも僕は追加費用を払ってでも家を探してほしいという買主候補の個人のお客様は見たことがないですね。

「仲介手数料安くして!…広告費?何言ってんの?」

リスクと手間の問題

お客様の状況や背景などはリアルさがでる演出だと思うのですが、これだけ個人情報の取扱いがうるさい中でお客様の個人情報を書くには何が必要でしょうか。買主候補のプロフィール、背景の文言、本当に探している物件とは別にチラシに書く条件などなどを広告出稿前に本人に確認して、万一修正の指示があったら修正して、しかも費用負担いただくからには広告効果についてレポーティングさせられるかもしれない。うん、不動産屋さん絶対やりたくないです。しかも一枚のチラシに複数人の「買主候補」が載っていることもあります。手間が何倍にもなります。

手間がかかりすぎるよ・・・。

上限っぽい予算書いちゃってるw

読み手がもっとも食いつくのはやっぱりお金の話です。しかもなんでか周辺の相場より割高な金額が書いてあることが多いんですよ。

書いてあるのは予算枠の上限だということにしても、売主は絶対に書いてある予算と同じかそれ以上の金額を狙いますよね。買主は少しでも安く買いたいのに高値掴みでさせるんですかね。連絡さえもらえばあとは交渉して値引きをさせるつもりなんでしょうか。うーん・・・どちらにしても誠実とはいえませんね。

うわっ!私の買取予算、高すぎ・・・!

売主候補の情報がほしい理由

チラシをみて連絡をしてくる人は、現在売ろうとしている価格より割高である点に注目して連絡をしてくる人がまあまあ混ざっているでしょう。不動産業者や仲介会社でもないのに価格が割高であると認識できるということは、実際に売買しようとしているから相場を知っている人です。

別の記事でご紹介しますが、不動産屋は成約可能性が高いだけでなく、売主と買主の両方から仲介手数料がもらえる「両手取引」もキメられる可能性もあるため、売主との媒介契約は喉から手が出るほど欲しいのですよ。

両手いっちゃいまーす。

通常、自社にだけ売却を任せてくれる売主とのリレーションを築くには一朝一夕にできることではないのですが、このパターンだと低確率ながらも数を撒けばいきなり売主(しかも情弱かつ現在の不動産屋に対して不満を持っている可能性すらある)の見込み客を捕まえられます。

確率は高くないけど当たればデカいのですから、多少自腹であっても資金的余裕があれば外部業者にチラシをまいてもらうことはあるでしょうね。

お気軽に家リアにご相談を!

家リア

いかがでしたでしょうか。多分みんな普通の状態だと匂わせ系のチラシを見ても「嘘つけw」で終わるのですが、売却を焦っていたり不安があると、藁にもすがりたくなっちゃうんですよね。

でもお察しのとおりそういうチラシ撒く不動産屋さんって(大手であっても店舗レベルでは)残念な感じの店が多いかもしれませんし、コンタクトとってきた人を絶対に逃がすまいと気合い入れているので、ちょっと話を聞くだけでおしまいとはいかないと思います。

どうしても話が聞きたくて困っている、既に取引している不動産屋とは別の不動産屋からのセカンドオピニオンがほしい、そういうチラシに心が動いてしまいそうだという人はこのサイトの「お問合せ」からご連絡ください。メールで回答しますので対面せずともお答えします。もし不快感を感じたら質問をするだけしてそれ以降は無視でもいいですよ(心情的には悲しいけど。)!

それでは、Enjoy 家探し!

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