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そもそも不動産屋は『正直不動産』じゃないとやれない説

そもそも不動産屋は『正直不動産』じゃないとやれない説

こんばんは!都築です。さて突然ですが、みなさん、いま見ているドラマってありますか?僕はいま毎週録画しているドラマがあります。その名も『正直不動産』です。

詳しくはホームページをご参照いただければと思いますが、平たく言うと嘘をつくことで業績を上げていた不動産屋さんがある日突然嘘をつけなくなり、悪戦苦闘しながらも気が付くとお客様に寄り添いお客様のために家を売ることになる、笑いあり涙あり背中を押される要素ありのヒューマンドラマ!です!!

えー・・・変なところに「!」が入ってしまうくらい力んでしまいました。原作からの大ファンなので今回のドラマ化にはテンションが上がっているせいですね。失礼しました。そこで今回は、『正直不動産』の主人公のように嘘をつかないと不動産屋はピンチになってしまうのかということを検証したいと思います。

不動産屋が嘘つきと思われている要因

さて、そもそも『正直不動産』がヒットしているのは何故なのかと考えると、「不動産屋は嘘つき」という社会的認知が背景にあることは間違いないでしょう。・・・っていや、これ自分で言っておいて何なんですが、ヒドくないですか?

以前、不動産屋に対するイメージがあまりよろしくない理由については「不動産屋に対する微妙な印象は幼少期から培われている説」でも検証(?)しましたが、嘘つき扱いってどういうことなんですかね。うーん・・・個人的に不動産屋以外のビジネスとして対比するとこんなところが挙げられます。

高額であるうえに価格を把握しにくい

やっぱりまずはこれでしょうね。スーパーで食材を選ぶのもそれなりにコツが要りますが、不動産はこの辺の事情で難しいですよね。

  • 良し悪しが判りにくい
  • 同じものが二つとない
  • 常に時価
不動産は時価
同じものを同じ値段で買えないんですよね・・・。

このため一般の皆さんは不動産屋を信じるしかありません。不動産屋をなしに直接売買することもできなくもありませんが、それは逆に不動産屋を頼らずに自分だけで売買することになるからもっと難しい話になります。

騙されたという話がマスコミやネットを中心にネタにされている

こんにちは。週刊誌に貢献する業界の不動産業です。

で、上述のとおり一般人は不動産屋を信じるしかないんですが、残念ながら不動産業者の不祥事は年に数回報道されたりします。このため、取引前から不信感が拭えないんでしょうね。

でも、持家を探す人(買主)が仲介会社に騙されたニュースって、みなさん聞いたことあります?僕はここ何年も意識して情報集めていますが、そういうケースって聞いた覚えないんですよね。不動産業という大きなくくりのなかでイメージが形成されているのはまあまあ忸怩たる思いだったりします。

取引後に勘違いや思い込みで騙されたと感じる

え、それ…騙された…の?

それでも、報道はされないだけで悪どいことやっているんだろうと思う人もいるでしょう。誰もが後悔のないよう取引に売買できれば理想なのですが、自分は騙されたと語る人はやはりいます。すごく嫌なことをいうと、自分はもっと儲けられはずだ、安く買えたはずだという考えで騙されたと周囲に話している人もいます。単に不幸自慢で言っている人もいますが、シンプルに背景をご存じないこともよくあります。

例えば、ご自宅を6,000万円で買った後で売主は実はその土地を2,000万円くらいで買っていたということを知ったらどう思いますか?面白くないですよね。3倍の額で買わされた!騙された!と思いますよね。

でも、その背景には2,000万円で買っただけではなく、それだけでは接道義務がクリアできていなくて家が建てられない土地だから隣地と交渉して追加で土地を売ってもらって、建物に住んでいる人に立退料と引越代と転居先の諸費用を支払って、建物を業者に頼んで取り壊してもらって、裏手にある私道の権利者の一人から要求された承諾料を支払って、やっと家を新築で建てられると思ったらウッドショックや人件費が高騰して建築費用が嵩み時間もかかった。おまけに物件の取得は融資を活用しているから金利と融資事務手数料などもかかって・・・などなど目には見えない支出が入っていることは普通にありますが、外からでは判らなかったりします。

実際に訊いてみた

「で、結局不動産屋は嘘つかないで営業できるの?」

多分、この記事を読んでいる皆さんが一番気になっているのはこれだと思います。基本的に家リアの記事を書くときは運営側のエムトラスト株式会社と監修のモリモト・トラスト株式会社2社から人を出し合って話をしてまとめているため意見が割れることもあるんですが、この問いに関しては意見が一致していました。

全然できる。というか嘘つくとデメリットの方が大きすぎるから嘘はダメ。ゼッタイ。何なら嘘ついたと誤解されないようにしなきゃいけない。」

はい、某有名コピーまで入り込むくらいに強い意志を感じますね。でも、なんでここまで言い切れるのでしょうかね。ぶっちゃけ、ハメた方が家を売れるような気がしますよね。

不動産屋が嘘をつけない理由

まず前提としてご認識いただきたいのは、不動産屋って実は何よりも信頼が大切になるビジネスなんですよ。

…え、何その目。スマホの向こうからの視線を感じるんですが…。

…気を取り直して説明しますと、不動産屋が売買の仲介で相手にするお客様には売主と買主が存在します。で、どちらが大切かというと、これは両方です。優等生的な答えなのではなく、構造上そうならざるを得ないのです。

個人のオーナー、業者、ハウスメーカーなどの売主から安定的に売り物件を専任(特定の不動産屋だけにお任せいただく媒介契約)でお任せいただくことはビジネス上優先順位が高いことは間違いありません。うまく買主も自社で見つけることができれば売主と買主の双方から仲介手数料をもらえるし、それができなくとも買主が誰であろうとも売主側からの手数料はもらえます。となると普通に考えて売主からの信頼の方が重要なように見えますね。

売主も買主もどっちも大事!

ところが、売主が評価する不動産屋とはどんな特徴があるでしょうか。それは、ひとえに安定的に物件を少しでも高く売ってくれることですが、そのためには評判が大切になります。この「評判」は一般人でも読めるネット上の星の数や書き込みよりも(その影響がゼロとはいいませんが)、取引にかかるリアルな評判です。

例えば、物件を売った後に虚偽の説明があったことが判明したら重大クレームとなり訴訟やクーリングオフ、果ては宅建業免許の業務停止処分、免許取消処分につながりかねません。現実的にはそこまでいかずに値引要求などに応じることになります。

売れたと思ったら不動産屋のミスで値引きせねばならなくなったら、不動産屋はたくさんありますし、継続的に任せられることはなくなります。売主のためにあえて不正をしたのだとしても結局損失を出していては意味がありません。また、売主が業者だったら自社のブランディングを気にします。評判が広まることは抑えられませし、ネット上でもじわじわ広がります。SUUMOなどのポータルには同じ物件が載っていることはよくありますし、買主もわざわざそういう不動産屋を選ぶことはなくなってきます。売主も買主も失う事態になります。

大切なことなのでもう一度いいます。不動産屋にとって信頼は大切なのです!

嘘をつくどころか・・・!

そう。ここまでお読みいただいたみなさんはお気づきかもしれませんが、実は騒動は買主の誤解に基づくアクションでも騒動は起こせてしまいます

なので、お客様がなにやら思い込みなどをなさっていないかと注意深く観察したり、常識だから説明しなくてもいいだろうと思っていたことでも見直さねばならないことも稀にあります。こうした誤解や思い込みは重説(重要事項説明書)をお客様の目の前で読み上げてその場で質問を受けるだけでは足りず、お客様との会話の中から違和感を見つけだしてそこを埋めていきます。

ん!?…妙だな…(コ〇ン顔で)

ましてやいずれバレる嘘をつくなど論外なのです。当然ですがお客様の怒りが大きいほど騒動は大きくなります。つまり、騙す内容が大きいほど(言い換えると短期的に美味しい目を見られる嘘ほど)、後から発生する騒動の重大さもまた大きくなることを意味します。

永瀬財地・・・危険すぎた男・・・!

風も吹きようですね

こうなってくると、『正直不動産』の主人公である永瀬財地の嘘で塗り固めた営業手法がいかに危険すぎたかということがわかってきますね。多分短期的な業績は上がるかもしれませんが、長期的にはめちゃめちゃマズい事態になったと思います。業法違反で免許取消処分をくらって会社を傾かせかねない恐れもあります。

永瀬さん、嘘つけなくなってよかったですね・・・。

どうしても不動産屋を信じきれない人は

家リア

とはいえ、どうしても不動産屋が信用できないという人もやっぱりいるでしょう。そういう人はよかったら僕らに相談していただけませんか。

ここまで言っていて嘘ついたとあったらさすがに多方面への評判がダダ下がりですよね。いわば僕らは住宅販売業者や仲介会社としての自分たちの評判を質入れしてこの家リアを書いています。山下智久さんは回答者におられませんが、プロの業者としてどんなご相談にも無料でご回答します。

それでは、Enjoy 家探し!

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