持ち家のリアル

家って何歳で買うのがいいの?

家って何歳で買うのがいいの?

こんにちは。都築です。

今日はこれからご結婚予定のめちゃめちゃお若いカップルと、結婚15年の40代のご夫婦をご案内しました。特徴の違いが多く、泳いだあとに走った気分です。これであとご自宅を売りたいというご相談がきたらトライアスロン気分です。

さて、たまにいただくご質問なんですが、何歳ごろに家を買ったらいいのか、というものがあります。これね、答えは明確です。

若ければ若いほどいいです。

 

家を買うのは若ければ若いほどいい。その理由。

シンプルに若いうちから持家がある方が自由度が高いんですが(賃貸の方が自由では?という人はこちらの「不動産屋の考える自由」をご確認ください)、他にはこんな感じのことがあります。

理由その1 限られた人生で豊かな時期が長くなる

ごく一部の例外はありますが、賃料は持家の住宅ローン返済よりかなり割高です。賃料には大家さんが支払う物件の取得費や、取得のための借入の金利や融資手数料、税金などの固定費、物件の維持費や修繕費(別の記事で触れますが実際に故障などが発生しなくても賃料には修繕費が見込で含まれています)、仲介会社や管理会社に支払う手数料、保険料、空室発生リスクの穴埋めコストなどの事業としての費用、そこに大家さんの利益が乗っかっているためです。浮いたお金は確実に人生を豊かにしてくれます。

精神的な豊かさもあります。大家さんの顔色を気にせずに自由が広がるという精神的な豊かさもあるかもしれませんが、メインはそこではありませんw家族を持つ多くの人にとって自身の死や障がいを持つことは自分だけのリスクだけではなく、家族にとってのリスクです。住宅ローンで家を買うと普通は団信(団体信用生命保険)という保険に入るため、死んでしまったり障がいが残るなどの事態において残債は返済されることがほとんどです。賃貸だと普通に万が一の後も賃料を払い続けねばなりません。この安心感の違いはやはり大きいですね。

たまに「資産性のない家を残されても家族が困るだけ」という週刊誌か何かの記事に影響されたのか、びっくりするくらい斜に構えたご意見をうかがうことがありますが、それは物件選びを誤るリスクであり、持家を持つことそのものの本質的なリスクではないですね。記事を真に受けず、ちょっと自分の頭で考える癖をつけた方がいいかもしれません。

理由その2 生活が安定する

変化球に感じられるかもしれませんが、これ実はメリットとして大きいんですよ。生活の質の向上が家を買う目的だと思う僕としてはこれを最初に押したいです。

若い人って、自由さや変化への対応が利くことが強みだと思っている人が少なからずいるし、中には自由や変化を好む人もいます。例えばよくあるあくびがでる話なんですが、やりたいことや転職などに対応できるよう身軽な賃貸の方がいいだろうというお話ですね。

あの、それ、なんかいいことありますか?

いや、例えば商社や一部の金融業のように転勤があって当たり前というごく一部のお仕事に就いたなら解りますよ?そうせざるをえませんよね。でも、そうでもない人がころころ引越しするのを前提にするのは妥当でしょうか?

根を張った安定があってこそ「自由」はありますよ

無駄だと思っていることは本当に無駄なのか?効率的だと思っていることは本当に効率的なのか?

たとえば30分程度の通勤時間の短縮というメリットのために、転居費用や賃貸契約のコストを支払うえだけでなく環境変化のリスクを受け入れるんですか?無駄な通勤時間が30分短縮できるんだからいいというご意見もあるかもしれませんが、本も読めたりもできる30分間は果たして無駄な時間でしょうか?こう言っちゃアレですが、通勤時間を無駄にしてしまう人が短縮できた時間を有効活用するとは到底思えません。

引っ越しが趣味ということでもなければ率直にいって時間とお金と労力の無駄ですね。利便性の高い地域で生活の基盤を築いて地域のメリットをフル活用する方が生活の品質は高まります。また、ご近所との人間関係を築くことも有意義ですがそれには時間が必要です。根無し草のように転々とする人は「なんとなく効率的な気分」を味わっているだけで、実際は効率とは真逆の時間とお金の浪費をしていることも多いのではないでしょうか。

勤務先に合わせて賃貸を変える?

勤務先まで近いところに住むことで出勤時刻が遅くなり、帰宅が早まるからゆったりできるメリットがある?ゆったりした時間がすごせるということ自体はメリットかもしれませんが、勤務先が都心の人は都心の高額な賃料を支払うことになり、それ相応な経済的負担を負うことになります。得られるメリットに対して割高となるおそれもあります。 

理由その3 ローンの月額返済金額が緩くなる

返済期間が長く設定できると毎月の返済額が抑えられます。家を買うことはゴールではありません。その家で豊かな生活をすることが目的です。

ローンの返済が苦しいようではその目的を達成できません。ローンも返済しますが、充実した生活をおくり、さらに貯金もするというのが普通の生活というものですよね。これを実現するもっとも確実なものが返済期間を長くし、毎月のローン返済を抑えるということです。

いつまでも借金があるようで嫌だという考えもあるかもしれませんが、金融や法律の世界には「期限の利益」という言葉があります。これは何かというと、返済期限までお金を返さなくていい権利のことをいいます。そう。お金を借りることはネガティブな印象が日本人には昔から根強くありますが、実は権利なのですよ。短期間での返済はこの期限の利益を自ら放棄するようなものなのです。超がつくほどもったいない話です。

「そんなこといってもいつまでも金利を払うのもったいないし・・・。」

そうお考えの人はいますが、今は住宅ローンの金利が1%にもいかないのも普通です。それなら繰上返済するお金で利回りが2%くらいある普通の投資信託を買った方が貯金もできるし差額の金利が受け取れますよね。しかも何かあったら上述の団信で返済されます。こんな言い方はあれですが、同じタイミングで死んでしまったり障害を持つなら完全に頑張り損になる可能性すらあります。このため、慌てて返す合理的な理由ってあんまり無いんですよね。 

理由その4 社会的信用がつく

2つの意味で信用がつきます。

対人評価が上がることがある

1つ目は対人評価として、家を持っている人というのはそれだけで信用されることがあります。人は誰かを信用するかどうか判断する際に、半ば無意識に他人が信用しているかということを参考にしようとします。例えば友人や知人からの評価が高い人に関しては安心しますよね。これと同様に、持家に住んでいるという事実はそれがローンであったとしても銀行が信用してお金を貸していて、資産を持っている人ということを想起させ、信用に寄与します。

・解りやすさ

そんなに他人への信用で頭を悩ますときってあるの?と疑問を持つ人もいますよね。例えば、仕事などではその人の仕事ぶりやキャリアで信用するかどうかは判断できますが、付き合いの浅いような人を信頼できるか検討せねばならないときって、それほど多くはないのでピンときませんよね。

極端な例ですが、イメージしやすいのは「お嬢さんを僕にください!」のあれですよw
手塩にかけて育てた娘をやれる男かどうか、親御さんの彼氏に対するお気持ちたるや察するにあまりあります。そのとき、「持ち家がある」という情報って親御さんの心にどう刺さりますかね?・・・ね?お察しください。親御さんの心に刺さるのは経済的な安心感だけでなく、彼氏のしっかりした人間性ですよ!

とまあ、冗談はさておき、上記の親御さんのように直接の付き合いが浅い他人はあなたをどうやって信用しますか?人間性、仕事の品質、家柄、賞罰などですかね。仕事を通じで知名度がある人は信用力も高いものですが、普通そんな名声なんて持っていませんよね。基本的に信用を得るには時間がかかるものです。唯一、客観的かつ時間がかからない信頼を得られるのが経済力です。それも、一過性の側面の強いフローとしての年収よりもストック(資産)の方が説得力はあります。持家があるということはたとえローンが残っていたとしても資産として評価されます。

自己決定が生む「責任感」

また、後付けのように感じてしまうかもしれませんが、自分が持ち家を所持しているという自覚は、無意識にその人に責任感がある人間性を醸成すると思います。いわゆる立場が人間をつくるというやつです。心理学において、自己決定が責任感を生むというのは定説ですが、家を買うという決して気軽にはできない決定がその人の人間性に与える影響の大きさを考えると推して知れますね。他人は、そうしたにじみ出る人間性を感じ取るものです。

信用が生む経済的なメリット

2つ目は経済的なメリットです。具体的にはお金を借りやすくなります。ん?住宅ローンがあるのにお金を借りられるのかって?詳しくはそのうち別の記事で触れますが、借りられるお金の金額は審査時点での収入に対してすべての借入の返済金額の占める割合が重要な指標になるんですが、自宅には物件には担保能力があるため、信用力が追加されるケースはまあ普通にあります。

住宅ローンが残っているのにローンがない人よりお金を借りれられることは普通にあります。

人間の社会は「信用」でなりたっている

信用がつくというと、特に若い人はピンとこないかもしれないんですが、実は大きいんですよ。生活をするうえで人は信用の上に自由を得ているといっていいかもしれないくらいです。就職をする、職場で仕事を任せられる、買い物をする、プライベートの人間関係を築く・・・本当に様々なところで信用がものをいいます。そう。人は信用を実績へのレバレッジ(てこ)として活用しています。

例えば犯罪者や反社会的勢力として認定されてしまった人が失う自由を想像してみてください。まず、お金を借りられないだけでなく、預金口座を開設できません。貸主によっては家を借りることもできません。自動車免許も取得できません。周囲の人の目を気にせねばならなくなることもあります。人前で名乗ることも憚られることになります。インターネット上に自分の名前が残り続けることもあります。好きな職につくことも困難になることもあります。仕事で会社として取引をしようにも反社会的勢力とのつながりがある会社との取引を行わない会社も今は多いです(相手が大きな会社であるほど取引ができません)。

くりかえします。家を買うのは若ければ若いほどいい。

というわけで結論をリピートです。
家を買うのは若ければ若いほどいい。

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もし、家が欲しいんだけど何から考えたらいいのか判らないけど店舗に行ってまで聞くのはちょっとなぁとか、不動産屋に行くとしつこく営業されそうだなぁという人は、このサイトの「お問合せ」からご連絡ください。絶対しつこい営業はしませんし、なんでもお答えしますよ。

それでは、引き続きEnjoy 家探し!

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