いま話題のDIY投資家の家

こんにちは!都築です!先日、築古のフルリフォームの家のご購入を検討されているお客様より、珍しいご質問をいただきました。

「この家のリフォームはどこの業者がやりましたか?」

業者名に加えもう長くやっておられる工務店さんである旨を簡単にご説明させていただき、無事ご契約にいたりました。契約のときに雑談交じりに先のご質問の趣旨についてお客様からお話があったので皆様に共有しますね。

ボロ戸建投資家という人たち

個人の不動産投資家も投資対象は色々ありますが、その中で表現は悪いのですが「ボロ戸建投資家」と呼ばれたり自称する人たちがいます。年季の入った築古の物件をリフォームなどでバリューアップして売却したり人に貸して取得価格に対して高利回りで賃貸収入を得ようとする人たちです。

特徴としては土地の価格が安い地域や立地がそれほど良くないこと、売却の場合はそれに加えて、持ち主が変わって間がないのに上物が解体もされずに売りに出されていることがあげられます(こちらは登記を見れば確認できることが多いです)。

土地が安いエリアや立地があまり良くないところになる理由は、土地に価値があるエリアや立地がいいと土地代が高くなって上物がいまいちでも安く取得することができません。このため土地代よりも建物の価格の影響の大きい物件となると、土地が安いエリアか立地があまり良くないところとなるわけです。

また、投資目的だから売却の場合はなるべく短期間で売却する必要(融資を活用して取得するため長期化すると金利負担が大きくなったり、返済期限が迫ってきてリファイナンス(借換え)せねばならなくなる)があるため、数週間から数か月で売ろうとします。

不動産の活用を通じて町おこしにも貢献している点で素晴らしい試みだと思います。

DIY不動産投資とは

その中でもDIY不動産投資家はリフォームを自分でやる人たちです。腕に覚えのある人たちしかできない手法なので、ぶっちゃけプロがやるのと変わりがありません。というか、プロが常識にとらわれてやらない(できない)ような施工もできるセンスの持ち主が手掛ける物件が、プロがやったものと変わらない値段で売られたり周辺の物件と同じような家賃で貸してくれたりしますので、特に狙い目です!

嘘だよ。本当はそんなこと思っていないよ。全部嘘だよ。(炭〇郎っぽく)

想像に難くないでしょうが、彼らの投資はリフォーム代の影響が大きいです。このため、リフォーム代をいかに安くするかと考えた果てにDIYで自分でやれば安く済むという発想で始めています。

「自分でやりゃ材料費と役所費用しか要らねえよな!」

DIYといっても色々あります。例えば壁紙を自分で張り替えるとか、原状回復+αくらいのクリーニングを自分でやるとかいうそういう軽いものもありますが、床下の改修など安全基準に影響を与えるものなどの大規模なものもあります。傾向としては大規模であるほど費用削減効果が大きいためDIYのメリットがあります。

そう。ここで、ある疑問がみなさんの頭をよぎりますね。

「安全なのかな・・・?」

個人的にはお勧めしていません。当社としても2022年7月現在においてDIY物件の元付け(売主から依頼されること)を請けたことはありません。

DIYは行う人の技術力に大きく左右されます。プロである業者でもそこは変わりませんが、業者ほど一定の信頼が担保されません。また、マインドについても安全性や住む人のことを考えるということが期待できません。施工業者は継続的な受注につながるように工事の品質や安全性などを常に意識します。

「いい仕事をしないと売れないからDIY投資家の方が真剣!」というご意見もあるかもしれませんが、逆に言うと、売れさえすれば借主が入りさえすればそれでいいのですよ。見えないところなどは手を抜く動機になってしまうおそれすらあります。業者のように継続的な注文を得るために施主や顧客からの評価を気にする必要もそれを意識する機会もありませんから。

マインドってそんな重要なのかと思われるかもしれませんが、たとえば企業の内部統制ってリスクを発生可能性や想定される被害の大きさ別に洗い出して、対策するなら制度や業務の流れからシステム的に防止できるよう努めます。でも、不祥事を起こす企業って大体そういう対策よりも根柢の問題である従業員や経営者のマインドの問題であることが多いです。ここに問題があると対策も形骸化する恐れが大きいです。内部統制を評価するうえでは、マインドが含まれる統制環境は最も重視されます。

ちょっと話がずれましたが、こんな感じでマインドの問題って本当に大きいんですよ。もちろん、人によっては高い意識をもってDIYをする人もいるかもしれません。でもそうした属人的な要素に期待できるなら建築基準法で安全性を規定しませんよね。なかには正当化したいあまりに構造計算の効果を堂々と疑うDIY投資家もいるし、そもそも業者の場合は普通は販売後もカバーする補償がついていますがDIY不動産投資家の物件はどうだかわからない(補償してくれても補償もDIYによるものなら意味ないしw)ので、やはりおすすめはできません。

お薦めできません!

怖いんだけどどうしたらいいの?

ぶっちゃけ見れば違和感覚える程度に微妙な仕上がりが多いのも判りやすい特徴なんですがw、やはり確実なのは不動産屋に訊くことです。なかなかそこまで訊いてくる方は少ないので手元情報にないことが多いため、即答はできずに確認するお時間をいただくことにはなる不動産屋もいると思いますけどね。僕らが客付け(買主の皆さんに物件をご紹介する不動産屋)として物件をご案内するときは事前に調べていますから業者さんの名前はすぐにお答えできますし、DIY物件はそもそもお勧めしませんけどね。(ドヤァ)

なかにはパッと見ただけでは判らない程度には技術力があるDIY投資家やDIY大家もいると思いますので、不安に感じたら必ずご質問ください。

不動産屋が売主の味方をしないか心配な人は・・・

家リア

「不動産屋に訊けばいいっていうのは判ったんだけど、その不動産屋が元付(貸主・売主から依頼をうけている不動産屋)でもある場合、嘘つかないか心配なんだけど・・・。」

そう思われる方もいるでしょう。そうですよね。頼りにすべき不動産屋が信頼できなかったら困っちゃいますよね。そういう場合は、お気軽にどんなことでも気軽にご相談ください。僕たちはDIY投資家からの物件は請けていませんので、ご安心ください。

それではEnjoy 家選び!

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