住宅展示場に潜む罠

こんにちは!自宅は建売の家を買った都築です!

さて、先日から始めました小学館の週刊スピリッツ連載の『マイホームアフロ田中』との一方的コラボ企画 #田中様へのご案内 ですが、ビッグタイトルに乗っからせていただいているのに、びっくりするくらい反響がありません!辛い。

何が悪かったのかなぁと思って振り返ると、まあ・・・あれですね。お役に立てるのが解りやすくなかったのかなというところですね。反省です。そこで、今回は皆さんがわりとやりがちなミスについてお話しして、解りやすくお役に立つ話をさせていただきますね!

いきなり結論言います。

結論からいいます。住宅展示場(バーチャル含む)には行かない方がいいです。諸般の事情で行かねばならないのなら、ご自分の予算帯に合った会社のものに行くべきであり(それであっても本当に行かない方がいいです)、そこから外れるものには本当に行かない方がいいです。

住宅展示場はおすすめしません
真面目にオススメしません。

住宅展示場の罠について説明します。

住宅展示場に行く目的

皆さんが住宅展示場にいく目的は何でしょうか。各社が建てる家の参考やイメージをつかむため住宅展示場の家を見たいんですね。が、ぶっちゃけ住宅展示場の家って参考になりません。さらにいうと見たいものは見れずに見ない方がいいものを見せられてしまいます。

なぜかというと、実際に家を建てるときの障壁は土地の制約(広さ、日当たり、建築条件等々)や家族やライフスタイルなど様々です。ところが住宅展示場の家はそうした都合は当然反映されません。それどころかその場を成約会場にできるように実際のどの間取りとも一致しないような謎の仕様になっていることもあります。そんなものが何の参考になるのでしょうか。

そもそも各社と話を進めると予算や各種制約条件の中でできることを提案してくれますし、それで十分なのです。条件が大きく異なる前提の家などを見る意味なんて何らありません。

ぱっと見は普通の土地でも実は規制があったりします。

一方、業者は何を見せたいのでしょうか。答えはです。もう少しいってしまうと、臨場感やその場のノリがほしいのです。そうしたものは皆さんが思っている以上に判断に与える影響が大きいです。これは悪徳不動産屋がその場で申込書を書かせようと一生懸命になることにも通じます。だからこそ、書類やデータの上ではつかむことのできない(つかませることのできない)イメージを住宅展示場で体感させるのです。

実際に建てるときに「展示場のイメージと違う!」とかキレる人はいません。「いや、あれはあくまでイメージですからw」と言われるのが明らかだし、自分にそう言い聞かせて感情を抑えます。つまり、その場のノリで判断を誤らせてもそれほど業者としては困らないのです。

わざわざ残念な気持ちになりにいきますか??

最悪、ハウスメーカーの口車にのって身の丈に合わない家を買ってしまうと目も当てられません。「失敗しない家選びの4ステップ」でも触れていますが、予算は絶対の遵守条件です。家を買うことはゴールではありません。家を買うことでQOLを向上させることがゴールです。その判断を誤らせるおそれがあるものをわざわざ自分から見にいく意味はどれほどあるのかを考えると、やはり住宅展示場にはいかない方がいいように思います。

家選びのプロセスへの影響

家選びは現実との向き合いです。大体の人は理想を描いて家探しを始め、不動産屋とのやりとりを通じて現実を目の当たりにしながら理想との折り合いをつけます。ぶっちゃけ理想が低いほどその苦しみは少ないし、高望みをすてられずに失敗するリスクは減ります。そんななかで住宅展示場のイメージ先行でキラッキラした家やら、それを激推ししてくる営業トークが記憶に残ってしまうと、いいことがないのは想像に難くないですよね。

家選びの理想と現実
実現できない理想は早めに捨てるべき空想です。

そしてこれが実は影響が大きいのですが、からくも現実を見失わなかったとしても現実に戻る時間がかかったり嫌気がさして不動産屋へのレスポンスが悪化します。その結果、「いい家を優先的に紹介されるたった2つの要素」で触れている不動産屋が業務上行う顧客の選別で、優先順位を落とされるおそれがあります。

パートナーとの人間関係

家は一生に一度の買い物であることが多いので、ご家族間で色々思いが交錯します。

『マイホームアフロ田中』で、登場人物たちがモデルルームに行って妻は目をキラキラせて、夫はそんな妻のリアクションと価格をみて露骨にイラつくというシーンがありました。( 出展:のりつけ雅春. “マイホームアフロ田中”. 小学館, ビッグコミック2022年48号 )

これね、ネタでもなんでもなんでもなく割とよくあるんですよ。奥様との向き合い方~魔法の言葉お教えします~や、やる気なさげな旦那様の傾向と対策 でも書きましたが、仲睦まじい夫婦であっても持家を選ぶときの視点は異なるものです。

家選びの基準は夫婦間で同じではありません。

家を持つ目的はQOLの向上です。その目的達成のために夫婦の仲は代え難いものです。家選びの過程でそれが崩れてしまっては本末転倒ですし、ましてや買った後にまで現実との折り合いがつけられずに不満を抱えたままとなっては目も当てられません。

でも実際のところ買った後も家に対する不満を消化しきれずにひきずっている人や、その家を選んだパートナーやその言動に対する不満が忘れられない人はいるんですよ。そうした家選びをめぐる禍根は、芽から摘んでおきたいものですよね。

想像と違う家を買ってしまったケース
家も夫も思っていたのと違うなぁ・・・。

もしもハウスメーカー選びに困ったら

家リア

いかがでしたでしょうか。住宅展示場のメリットは細々とした家の仕様を触れられることといえますが、そのごくわずかなメリットのためにこうした大きなデメリットを負うことになります。

じゃあどうすればいいのかと思ったら、建て替えを検討したとき、家を建てるための土地を買った後、あるいは(全体としては少ないと思いますが)『マイホームアフロ田中』の登場人物のように持家を検討したとき、どこのハウスメーカーに相談したらいいのかという問題に直面したら、お気軽にぼくら不動産屋にご相談ください。

僕らは『正直不動産』の大ファンなので正直にお話ししますと、不動産屋はハウスメーカーから紹介フィーをもらっているものです。が、ご紹介する以上は責任を持ちます。これはきれいごととかではなく、問題のある業者を薦めて評判を損ねると自分たちがマズいのでいわば自社のためにも顧客紹介の契約をする時点で業者を選定します。

もちろん、運と勘に任せてご自分で聞いたことのある有名な(広告を打っているから有名なのであり、その広告代が価格に反映されていますが)業者に突撃したり、そもそも何者(それこそ業者やアフィリエイターの可能性もある)が書き込んでいるのかもよくわからないネットの情報を頼りに業者を選定するのも自由ですが、住宅展示場に行くのは本当に百害あって一利なしだと思います。

それでは、Enjoy家選び!

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