物件探しのリアル

損しない持家の買い時とは

損しない持家の買い時とは

こんにちは、都築です。

不動産屋さんにお越しいただけるお客様って、家を買うことに興味を持って、実際に僕らを相手にするつもりになった人なので、みんなある程度真剣です。ただ、その知識や研究度合いはばらつきがあります。
工法や建築基準法などめちゃめちゃ勉強してくる人もいれば、家がほしいという思いだけでご来店する人もいます。

どちらがいいというものでもありません。どちらのお客様にも不動産屋は家を売りたいという思いは同じだし、どちらのお客様にしても払う努力は大して変わらないからです。

ちなみに、前者は物件の良さや妥当性をより詳しくご納得いただけるようプレゼンせねばならない反面ニーズや条件が明確になっていることが多いです。
後者はニーズや条件を掘り下げて明確にせねばならない反面、内件などで具体的な物件をご案内すると喜んでいただきやすい傾向にあります。

つまり、不動産屋のドアを叩く時点で有り難いお客様なのですよ。でも、本当にもったいないなと思う潜在顧客の皆さんは家の買い時を探っている人たちです。

 

家の買い時を探っている人たち、その「もったいなさ」とは?

まあ、お気持ちはよく解ります。物件の価格はそのまま住宅ローンの返済額に跳ね返ります。
ローンを抱えなくても、決して安い買い物ではないですし損をしたくないのはみんな同じですよね。

物件の価格に影響をあたえる要素

ちなみに、物件の価格に影響をあたえる要素は、ぱっと挙げるだけで以下のようなものがあります。

地価

みなさんがすぐにイメージされるのがこちら。土地の価格です。景気動向(実績&将来的な景況感)によって推移します。なお、地域によって動き方が変わります。

建設費用

人件費と建材価格によって影響がでます。人件費は職人さんの労働市場、建材価格は素材の価格動向、為替、先物市場価格を始めとする金融情勢などの影響を受けます。さらに、2021年はウッドショック※という誰にも予想不可能な事態が業界と消費者を襲いました。

※新型コロナウィルスの感染拡大によるリモートワークの拡充に伴い北米で戸建需要が高まったことで同国での木材の国内消費が増加しました。これにより同国からの日本向けの木材輸出量が激減したことで日本国内での木材が不足して材料費が高騰しました。高騰後の契約となった人だけでなく、問題が表面化する前に契約締結して胸をなでおろした人も後から追加費用の覚書締結を求められるケースもありました。ちなみのその後木材価格はおちついたものの、今度は大手石膏会社の値上げやアイアンショックによる鋼材の値上がりなどが起こり、結果として建設費用の動向はより不透明性が増しています。

周辺環境

電車の路線開通や新駅、快速電車がとまるかどうか、幹線道路の延長や拡張などという大きな影響が出るものや、ショッピングセンターや学校や保育園、警察署など近すぎずにそこそこ近くにあると嬉しいもの、逆に火葬場や墓地、民泊物件、ラブホテルやパチンコ屋などの忌避施設などの建設が影響を与えます。

税制

所得税や消費税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税などの各種税制の改正があった場合、その内容や経過措置の有無、例外の有無などにより消費者の動向や実際の取引価格に影響が出ます。

金融情勢

住宅ローンの貸出姿勢や金利や手数料に影響をあたえます。日銀の政策決定やそれを受けての金融機関各社の経営方針が影響を与えます。

・・・えー・・・ここまで読んで、皆さんこう思われていませんか?

(え、そんなに・・・?)

もっとも経済的に合理的な買い時なんて、誰にも判らない。

ざっくり動向は予想(それもあくまで予想)できるかもしれませんが、それがいつ起こるかまで予想できますか?
さらにいうと、大規模災害が起こるかもしれませんし、あなたの所得が今後どうなっていくか、そのときに住宅ローンが借りられるか判りますか?

そう。もっとも経済的に合理的な買い時(しかも自分が取得可能な期間で)なんて、誰にも判らないんですよ。

家が欲しいと思ったときで、かつそれが可能なとき。そのときこそが買い時。

家が欲しいと思ったときで、かつそれが可能なとき。そのときこそが買い時です。買い時を模索している間にも確実にあなたの人生は過ぎていく。ローンの返済期間とそれによる借入可能額の問題も小さい問題ではありませんが、もっと本質的な問題は、家を取得した後に過ごせる人生の残り期間がなくなっていくということです。

家を買いたいと思う人の多くは、家族を持つことを志向する傾向にあります。素敵なパートナーを持ち、もしかしたらお子様も持たれ育み、いつかお子様が巣立ち、またパートナーとお二人で住まわれる。買い時を探っている間にも時間は流れていきます。いくら経済的に得をしたとしても、当然流れた時間は戻りません。もっとも、それは家族をもたない人におかれましても同じです。

また、お金の問題も待てば得になるとは限りません。むしろ、得になるとは限らない一方で、居住費は地域も物件のグレードも同程度なら賃貸よりも割安になるのが一般的なので、より豊かな生活ができる時間もそれでできた思い出も時間の経過とともに少なくなっていくことは確実なのです。買い時を探して時間を浪費する行為は家を買う目的や付随する利益に反する行為だと思っていただいてもいいかもしれません。

また、不動産価格が高いからと暴落を待つとする人も散見されますが、めちゃめちゃラッキーなことに歳をとる前にたまたま不動産価格が暴落したとして、そうした状況では経済環境の悪化が避けられませんが、多額の借金が怖いとして住宅ローンを組まずにきたような人がそんな状況で住宅ローンを組めるようなマインドを持てるでしょうか。また、そうした経済環境下で住宅ローンが通るでしょうか。自分の収入が下がらないとは限りませんし、信用収縮下では受託ローンの審査もより厳しくなります。つまり、今度は借りたくても借りられないおそれが高くなってくるのです。「可能なとき」とはこういう背景もあります。

思い出の時間はどんどん過ぎていく。

終末期医療の専門家である大津秀一先生の著書で「死ぬときに後悔すること25」という本があります。その内容はここでは割愛しますが、人が人生を振り返ったときにする後悔は何かをしなかったことの方が余計なことをしてしまった以上に多いことが窺えます。家が欲しかったものの買い時を探して時間切れとなりましたが、後悔はありませんなどとどうして思えるでしょうか。「賃貸の方が合理的だったに違いない」と自分に言い聞かせることくらいが関の山でしょう。実際は賃貸の合理性とは手軽さの話であり経済的な合理性とは言いきれないのですが。

それでも損したくない方に大サービスで買い時を教えちゃいます。

後になって「色々あったけど、悪くない買い物だった。いい人生だった。」と思うことができればそれで百点だと思いますし、そう思っていただけるよう不動産屋は頑張るわけです。

それでも、どうしても損はたくない!1円でも得をしたい!という人もいると思いますので、 大サービスで教えちゃいますね。

それでも存在する契約の狙い時とは

さて、買い時を模索することは意味のない、むしろ止めた方がいい行為であるといったばかりですが、もっと短いスパンに目を移すと狙い目となるタイミングはありますね。

それは決算期です。

契約の狙い目は、決算期。それはなぜか。

特に上場しているハウスメーカーは多くの会社が年間の業績予想を投資家に公表していますので、その達成のための圧力は非上場会社の比ではありません。そして、往々にしてハウスメーカー自身の決算期あるいは不動産屋の多くが業績達成を求められる3月または9月に業績が偏重する傾向にあります。

また、これは決算処理の話なのですが、上場会社は、一定期間在庫を持ってしまうとその物件は不良在庫なのではないかと監査法人から目を着けられてしまうと、最悪、その物件に対する評価損の計上が求められてしまうこともあるため、多少利益は想定に届かなくても在庫を手放したいという圧力にもさらされるのも、決算期末です。

だから決算期は狙い目である。

こうした背景から、売上の確保と損失の回避の両面から、3月、6月、9月、12月に決済(契約ではなく支払と引渡しをする「決済」です)を完了するためにハウスメーカーや売主は必死になります(特に多くの会社の決算期である3月!)。

ただし、焦りは禁物。具体的には…

ただし、このタイミングで決済する契約を「早々に」結んでしまうのはいまいちです。ある意味上記のタイミングで決済されるのがハウスメーカーや売主にとって予定どおりであるという認識を持たれてしまうため、それほど彼らが切羽詰まらないからです。彼らが業績達成や在庫処分の圧力にさらされて辛いなか、申し込みをするのがベストです。

具体的には、住宅ローンの審査の期間や銀行側の手続きなどもあるため、ハウスメーカーや売主がもっとも必死になっている決算期の少し前に突然申し込みをすると、彼らとしては満を持してのチャンスとなり、普段は無理な値引き交渉も通ることが多いように感じています。

ただし、あまりタイミングを計っていると、ほしかった物件は売れちゃいますけどね。

微妙な時期や交渉の機微をお任せしたい場合は…

もし、こうした微妙な時期や交渉の機微をお任せしたい場合、いつでもお問合せからご連絡ください。上場ハウスメーカー出身者も多く在籍している僕らがご相談にお応えします!

それでは、引き続きEnjoy 家選び!

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