不動産屋のリアル

「不動産屋」というビジネス

「不動産屋」というビジネス

こんにちは!キッザニアに行ってきた都築です!

あそこいいですね。僕が子供のころにあったら何度もリピートしたかもしれません。でも、この記事を書いている2022年6月現在において、キッザニアには不動産屋さんはありません。どうしよう、めっちゃ参入したい!

とはいえその夢はすぐには叶いそうにないので、今回は勝手に不動産屋を代表してキッズやその親御さん、悪印象を持ちながらも頼らざるを得なくて苦々しく思っているお客様、ドラマ『正直不動産』で不動産屋にご興味を持たれた皆様に、僕ら不動産屋はどんな仕事をしているのか改めて説明したいと思います。

どんなビジネスか

誰に何をするのか

不動産屋は正しくは不動産仲介業といいます。大きくは、①物件を買いたい人と売りたい人を仲介する売買仲介と、②物件を借りたい人と貸したい人を仲介する賃貸仲介の2つに分かれます。この記事では主に売買仲介についてご説明しますね。

仲介が成立したときやお支払いが完了したときにそれぞれのお客様(買いたい人、売りたい人、借りたい人、貸したい人)から仲介手数料をいただきます。仲介手数料は売買代金や賃料をもとに算出されます。この仲介手数料の上限額の算出方法は宅建業法で定められています。

不動産屋の仕事

どんな契約に基づくのか

買いたい人(買主)が不動産屋と交わす媒介契約は1種類しかなく、締結することで特に行動制限が発生することもなく、成約や売買が完了するまでお金をいただくなどということも基本ないため、大きなリスクはありません。

一方、物件を売りたい人(売主)が不動産屋と結ぶ契約書は、仲介手数料こそ成約したり売買が完了するまでは発生しないものの、お互いの行動制限の強さが変わる3種類から選びます。

  • 一般媒介契約:お互いに最も縛りが緩い普通の媒介契約です。契約中に何社でも不動産屋と契約できます。
  • 専任媒介契約:売主は契約中は1社の不動産屋としか契約できませんが、自分で見つけた買主とは契約OKです。
  • 専属専任媒介契約:売主は契約中は1社の不動産屋としか契約できませんし、自分で見つけた買主とも契約NGです。
基本、僕らのテンションは高いです!

ちなみに、REINSとは一般人は閲覧できない不動産業者専用のサイトで、媒介契約を結んだ売主の物件を登録して情報公開するサイトです。一般媒介以外は売主が他の不動産屋と契約できない代わりに、不動産屋はREINSで物件情報を公開して買主を募ることが義務付けられています。

どんな人たちが働いているのか

不動産屋の営業職は、他の業種よりも(例えば、製造業のように多くの部門をまたいで商品を企画・製造して販売した場合、部門単位、人単位になると誰がいくら利益に貢献したかは管理会計を導入しない限り判りにくいですよね。)誰がどの案件を担当していくら業績を上げたかが明確に判るため、基本的にそれぞれの売り上げで人事評価がされます。報酬も他の業種よりも歩合制の割合が多く、業績が評価や報酬に直結しやすい仕事です。

全員がライバル!

もちろん、部下の管理や後輩の育成なども仕事の一環ですが、基本的に担当者同士で競争となっています。僕は不動産業には転職で入ってきた人間ですが、他業種よりもチームワークなどが求められる機会は明らかに少ないです。むしろお客様はもちろんのこと、紹介できる物件も担当者間で取り合いであるため、一つの不動産屋の中に個人事業主がたくさん集まっているようなイメージが正しいかもしれません。これは僕の体感ベースでの話ですが、勤務先の看板が無くても自力でやっていける自信のある人は独立することが他業種よりも多いように感じます。

不動産屋で独立成功するのに必要なものは何か

僕自身が不動産屋で成功しているとは疑問なので成功するのに必要なものを語るのはちょっとアレなのですがw、色んな不動産屋の社長さんとお話していると、人の相談に乗る人(裏を返すと相談をしたくなるような人)、適切なお節介を必要な時に焼ける人が多いような気がしますね。

テレビでCMを流しているような大手の店舗の近くにあってもいわゆる「地場業者」と言われる小さな不動産屋がやっていける秘訣は、地元に根差して地域貢献していて、地域の特徴だけでなく人レベルの事情にも詳しかったりすることにあります。酒屋さんや不動産屋がいわゆる地元の顔役や世話役として活動しているのも商売抜きのところももちろんありますが、不動産に関する相談をしたいと地元民が考えたときに最初に思い浮かべる存在となれるようにしているところもあるんですね。

このネットの時代に人とのつながりってそんなに必要?

結論からいうとめちゃめちゃ必要です!先ほどお話しした売主が不動産屋と結ぶ3種類の媒介契約のうち、不動産屋のテンションが上がった契約がありましたよね?それは契約期間中は1社の不動産屋としか契約できない「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」です。

なんで不動産屋が喜ぶかというと、売主と契約している不動産屋(「元付業者」といいます)になれると、こんな感じで買主と契約している不動産屋(「客付業者」といいます。)から連絡が来るので、高確率で契約に至って手数料を得やすいからです。

元付の「元」は元気の元!

また、黄色い矢印にご注目いただきたいのですが、客付業者の顧客ではなく自社の顧客に物件を売ることができたら、売主と買主の両方から手数料をもらえます(これを「両手取引」といいます)。1つの取引で手数料が2倍になるのですから、それはうれしいですよね。

で、こうした専任媒介契約や専属専任媒介契約を売主と結べるようになるには、最初から人的なつながりがあった方がすごく有利なんですよ。

みなさんが自宅売りたいと思ったとき、どこに最初に行きますかね?皆さんの多くは買主としての立場なので、SUUM〇などのポータルサイトを見て気になる物件を見つけて連絡先に書いてある不動産屋に連絡するか、テレビCMで知っている大手に行くでしょうね。情報集まっていそうだし。

でも、売主の立場になると大事な資産を売るのですから多かれ少なかれ不動産売買を勉強します。するとすぐにREINSの存在が判明するため、どこの不動産屋に任せても結果としては大きくは変わらないだろうと判るし、大手の場合は両手取引を実現するために、REINSの問い合わせをブロックしてたくさん抱えているであろう自社の顧客を優先に売ろうとする(いわゆる「囲い込み」)をするかもしれないと考えます。こうした知識と当たり前の考えのもと、かねてから付き合いのある知っている不動産屋に行こうとするのですね。

不動産の相談をしたいと思ったときに思い出してもらえるようになるのがポイントです

残念ながら何も勉強しなかったり、銀行や信託銀行から老後資金の提案などをされて紹介された提携先の大手に言われるがままに契約してしまう売主さんもいますが・・・。

と、こうしたことから不動産屋は顔を広める必要があるためにも、地元での貢献や地域住民の「困った」を解決することを厭わないんですね。また、誤解ひとつが重大問題につながることも身に染みてわかっているためうるさくない程度の丁寧さもあったりします。もっとも、そういうビジネス上の狙いにもなる一方で優れた不動産屋ってわりと困っている人を放っておけないような性質だったりするので、資質と成功条件は卵が先か鶏が先かのような話でもある気がします。

フィクションを例に出すのはちょっとズルいかもしれませんが、ドラマにもなった漫画『正直不動産』の主人公の永瀬と将来の勤務先の社長との出会いって、まさに社長のお節介から始まりましたよね。不動産ってちょっとしたアドバイスが重大な影響を与えることがあるから、適切なお節介を必要なときに焼けるのって本当に大切なんですよ。

なんでも相談してください!

お店に行かずとも不動産屋に話を聞きたくなってきた人は

家リア

さて、不動産を売買しようかというみなさんのご参考になれたでしょうか。
不動産屋っていろんな報道やネットで書かれていることを見るとどこか胡散臭いと思われている業種であることは痛いくらいに知っていますが、なかなか接する機会がないためご理解いただけにくいのも要因なのかなと考えています。

少しでもそうした誤解を解くためにお役に立てたならとてもうれしいです。もし弊社にご興味をもっていただけたり、セカンドオピニオンがほしいという方がおられましたら、お気軽にこちらからご連絡ください。しつこい営業はしないし、どんなご質問であっても無料で回答しますよ。

それでは、Enjoy 家探し!

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通称「水曜日の不動産」。定休日のノリで(いつも以上に)肩の力をぬいてざっくばらんとお送りします。コラボ企画やインタビューなどもやっていきます。